|
藤沢周平からロングバケーションの風景
名木川に水鳥が浮かんでいます。多くはカモメ、鴨。小名木川は隅田川から森下で分かれる運河で、東に向かう。江戸の時代は江戸に向かって行徳からの塩を運ぶ船でにぎわったらしい。昭和の初めまで多くの船が利用した水門は現在は実にかわいらしい赤い色のトビラだなあ。運河の両側は格好のお散歩コースになっています。森下の清澄橋のたもと、隅田川と合流するところにあるマンションはテレビドラマのロングバケーションのロケ場所となったとのこと。 |
現在は取り壊されてなくなってしまったようだけど。この周辺にはなんとなくそれらしい雰囲気を持ったマンションが多くて、所帯持ちの生活の便利優先ではちょっと選びがたいかもしれないけれど、若い時に気取って気張って暮らしてみたら、いい感じかもしれないと思う。隅田川を挟んで向かい側にはチョー最先端の街並みがならんでいるのが見えます。下町は舌町に通ズ。中央区から江東区ヘ引越ししてから丸3年。中央区の人形町は勿論いい店が多かった。あの店、この店、ああ、もっと行っておけば良かったのに…。
|
|
社内も古さと新しさが同居した下町の味わい
中央区蛎殻町に分散していた事業所から、1997年に自社ビル建造して、今の場所、江東区へ引っ越してきました。地下鉄都営新宿線の菊川駅から徒歩3分。周辺は印刷会社や印刷工場が大変多い場所ですが、喧騒の中にあった以前の事業所と比べるとずいぶんと落ち着いた環境になりました。社内の雰囲気も、従来からの印刷機器に加えてパソコンが増えてずいぶんと様変わりしましたが、周辺の町並と同様、下町の古さと新しさが混在した様な味わいのある風景になっています。
ちょうどプレスが引っ越した頃から、近所にはファーストフード、ファミリーレストラン、コンビニエンスストアが次々と開店し、急速に近代的な町並みになってきました。しかし、、下町情緒溢れるお店も健在です。
店主の生真面目さが伝わる生駒菜館
生駒菜館。このお店は4年ぐらい前に菊川の交差点近くに出現。「生駒軒」ってグループなのか暖簾分けなのか、判然としないのですが、よく見かけますね。蛎殻町、人形町にもあったし、ありふれてるっていう感じは否めないわけです。当然期待はしてませんでした。店内は6人ほどが座れるカウンターと、4人がけテーブルが3台ほどとなっています。ウンター越しに調理場があり、親父さんはじめマダム、息子さん、もう一人女性と4名の陣容で奮闘しているのが見れます。 |
カフロアーはお嫁さんがしっかり注文をとっております。実にハキハキして聡明な女性であります。「アキちゃん」などと常連客の声がかかります。多くの食いしん坊を相手に、あれもこれもと注文するのをスラスラと復唱します。ソツがない。気が利いている。大変結構ではないでしょうか。私に娘があれば、是非このように素晴らしい女性に育てたい、と書いたからって私がこのお嫁さん見たさに通っているわけではないのであります。誤解がないように、このことは、ハッキリ、明確に書いておかなければならないのです。 |
|
ボリュームある料理
会社の帰りに何か食べて帰ろうか、一杯やって帰りましょうという相談にすぐ乗ってくれるのがO(オー)部長です。自然、2人で食べ飲み歩くことが多いのですが、大人数で食べるのが正解の中華料理を2人で食べる、しかもお酒もいただくとなれば、当然一人当たりの量は相当のものになります。ダイエットが必要、お腹が気になると思いつつ、やっぱり美味しいものには勝てません。「しようがない、今日は腕立て伏せを多めにやろう」などと自分に言い訳をしながら注文を。まあ一献とO部長。やあ、かたじけないお返しに、さ、さ、どうぞ。お前は若いんだから、俺は年寄りなんだから、食もめっきり細くなったし。いや、お願いだからそんなに私の皿によそらないで下さい、部長は全然食も細くなってないし、酒だって飲むなっていわれたって奪い取って他人の分まで飲むじゃないですか。非道いことをいう奴だ、俺がいつそんなことをした。俺は何時だって処女のごとくおしとやかに召し上がってるじゃねーか…。やっぱり2人で中華はツラい。
注文の品は・・・
まずは生ビール。中ジョッキで2杯。それと餃子1枚。焼いた奴ね。そんで、茄子冷菜。これは茄子を油で揚げた奴をあの冷やし中華のタレにつけた感じの冷え冷えであります。夏の前菜にはもってこいです。お次は、かわり豆腐。冷や奴にカラいタレと青とうがらしがかけてあります。すっと出て来ますからね。とりあえずの一品で…。で、(ここで声をチョッと低めにして訊くんであります)「くわい豆腐出来ます?」これには訳がありまして、このくわい豆腐というお料理、当店のメニューには載ってないのです。といっても我々がお店に無理強いして作ってもらっているわけではなくて、以前にはちゃんと壁に貼ってありました。ところがある日、久し振りにくわい豆腐を頼もうぜということになりまして、壁のお品書きに目をやりますと、確かこの辺に書いてあったのが、ない。「くわい豆腐は、やらなくなったの」とアキちゃんに訊きますと、丸い目を更に丸くして「いえ、大丈夫です」「いやあ、メニューから消えちゃったからさ。心配したさ」「エヘヘー」薄くスライスしたくわい。それと一緒にかき混ぜた豆腐、卵。味付けはマヨネーズ。見た目は全体に白っぽい。正直いって、あまり見た目は良くないなあ。しかし、まあ味が大事。私もO部長もくわいのシャキシャキ、ホクホクした歯ごたえが大好きで、酒場にこれの素揚げがあると必ずといっていいほど注文するのであります。当店のくわい豆腐はシャキシャキ感があって、そこにマヨネーズの濃厚な味わいがついています。なんでこの料理が当店のメニューから消えたかというと、理由は簡単、「これ注文されるのお客さんたちだけなんですよ」とアキちゃん。美味しいんだけどなー、やっぱ見た目かな。
くわいって関西系かなぁ。あるとき私たちがくわい豆腐を食べていると、ご店主が脇を通りかかりまして、挨拶をされました。そして「くわい豆腐好きですか?」「ええ、とっても」「うまいですよ」「それ、私のオリジナルなんですよ」と店主。ああ、それで分かった。われわれがメニューにない料理を注文してもニコニコとして、いやほとんど嬉々として中華鍋をふるっているような感じさえ受けたのも、いつ頼んでもちゃんと材料が揃っているのも。「こりゃ、時々忘れずに頼まなくちゃならないですね」「うまいからいいけど」最後の締めに、焼きビーフンか上海やきそばでも食べて帰りましょう。ごちそうさまでした。チャンチャン。

黒い板塀でシックな店構え
居酒屋「杉」。黒い板塀でシックな店構え地酒を多く揃えているお店です。うるさい音楽もかかっていないし、お酒を飲んで話をするにはいいお店と思います。この店に行きたくなるのは、やっぱり夏の暑いとき。 |
仕事が早めに終わった夕暮れ時に、いい店はないかとブラブラ菊川から森下に歩いて行きます。で、なかなかグッとくる店はそう簡単には落ちてはいないもので、とうとう森下の交差点まで出てしまいます。びっしょり汗もかいております。もう一刻も早くお店に入らなければならない、となれば行き慣れた店・・・。
そう、居酒屋「杉」なのです。
「杉」の暖簾をくぐって店内を見渡せば、お店の4分の1ほどの幅は畳敷きのお座敷がずうっと置くまで続いています。その他2〜4人がけのテーブルが8つほど用意されています。 |
|
やっぱ冷酒がうまい
喉のカラカラは生ビールで早急に潤し、枝豆かそら豆を一皿いただけば、後はじっくり注文できるというもの。お刺身はアジやカツオがいいなあ。焼き物は時間がかかるから早く頼まなくちゃなあ。でも、まだまだお店は混んじゃいないからあせることもないかな。てな感じでユックリ、ユックリおササを嗜もうと思っていると、「ほれ早く飲め。どうしたの、ペースが遅いじゃねーか」という声が。突然ですけど、やっぱり今日もO部長と飲みに来たのでありまして、菊川からブラブラ一緒に歩いて来たのです。「ええ、いただきます。いただきますけど江戸情緒とか感じながらですね、しみじみするのがいいんじゃないかと、現代人は急ぎすぎますよね」「そんなこたあ、どーでもいいの。早よ飲め」別に嫌いなわけじゃないから、遠慮しているわけじゃないから、飲みますよ。ゴクッ、ゴクッ、キュッ。「さあ、ビールも終わります。お次は何でまいりましょう」「そうさな、焼酎もあるけど…、やっぱここはお酒だな。冷酒でいこうや」「じゃ、一番お得なのでいきます?」「うーん作戦としてはだ、味がちゃんと判るうちにいい酒を飲んだほうがいいんじゃなかろうか」「いい酒ったって…、まあ、高いやつですかね」「そういうことだろうな」「じゃあ、清水の舞台から飛び降りるつもりで…」一合当たり100円、200円の違いなんだから、そんな悩まなくてもいいんですけど。
のっぺ汁のこと
当店の名物料理にのっぺ汁があります。最後の締めにいただきましょう。ごちそうさまでした。チャンチャン。(記 はしもと)
戻る
|